⑥母作非為(ひいを なすなかれ)

 人の行いには身(体)での行い、口での行い、意(こころ)での行いがあります。この三つの行いが良い行いであれば、是であり、悪い行いであれば非でありあます。この三つの行いを三業とも三密とも申しております。

この三つの行いをさらに分けて考えますと10に分けることができます。この10の良い行いを「十善戒」と言います。「十善戒」を守っていきることを「持戒」と言います。約束を守って生きる事ができるか、出来ないかは自分の責任で考えなければなりません。約束があれば反省ができます。反省ができればやり直しができます。

 

さて、10の良い行いを身・口・意にあててみますと、次のように、身の行いが3つ、口の行いが4つ、意の行いが3つあります。

身  不殺生・・・あらゆる命を大切にする

   不偸盗・・・他人のものを盗まない

   不邪淫・・・淫らな性行為をしない

 

口  不妄語・・・うそをつかない

   不綺語・・・心にもないことを言わない

   不悪口・・・悪口を言わない

   不両舌・・・裏腹なことばを使わない

 

意  不慳貪・・・どん欲にならない

   不瞋恚・・・怒って人を傷つけない

   不邪見・・・正しい見方をする

 

このように、自分を戒めて行いを正して生活すれば、人から信頼される人物となり生活が安定して発展するでしょう。

仏教の教えを一言でいえば、「悪いことをするな、よいことをしなさい」につきます。

(十善の説明はいろいろな表現がありますが、私流に書かせていただきました。)